木曜夜話

読書、映画鑑賞など趣味の日常

『葉書でドナルド・エヴァンズに』 (平出隆)

突然の大降雪です。
早朝から息を白く吐きながら、雪かき。
道行く人が、ちょっと会釈をしていってくれます。
ご近所同士は、いつもより生き生きと朝のご挨拶。
保育所に向かう子どもたちは、橇に乗ったり降りたり大はしゃぎ。

ど〜んと雪が降ると、心なしかロマンティック気分になります。
クリスマスも近づいていますし、
この真っ白な装丁の小説は、なんともいえない心の漂泊に
誘ってくれました。

葉書でドナルド・エヴァンズに葉書でドナルド・エヴァンズに
(2001/04)
平出 隆

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この本は、一ページ毎の文章が葉書一枚分、という想定になっていて、
ある詩人が今は亡き早世の画家に
一枚一枚、葉書を書き送った記録です。

画家(ドナルド・エヴァンズ)は既にこの世にはいないのですから
この葉書は実際には投函されたり、配達されてはいないのですが、
まるで親友にあてた手紙のように書かれています。

しかもその文章が、とっても詩的です。
大切に言葉の標本箱にしまっておきたくなるような表現が
しばしば出てきました。

表現者の魂が、ぽ〜んと紙の上に投げ出されているような
無防備さに、
気恥ずかしいような、うれしいような。

でも、すがすがしい美しさに
うっとりと酔ってしまうような小説です。
素敵な本でした。




テーマ:オススメ本 - ジャンル:小説・文学

  1. 2009/12/21(月) 23:07:26|
  2. ハ行
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